2014年12月22日月曜日
■Top 30(+2) Tracks of 2014
よく「どんな音楽聴いてるの?」と聴かれて、自分でも「あれ。どんなの聴いてたっけ」と困ることが多いので、よくあるYear End Listsの形で自分的な「今年の30(+2)曲」をまとめてみました。
<参考>
・The 50 best tracks of 2014:FACT Magazine
・116 Best Songs of 2014:The FADER
・Top 50 Tracks Of 2014:NME
・The 100 Best Tracks of 2014: Pitchfork
・Top 50 tracks of 2014:RA
・50 Best Songs of 2014:Rolling Stone
今年はわりと積極的に色々な方面を覗いていました。主に参考にしたのは、アンダーグラウンド系はHi-Hi-Whoopee、クラブ・ミュージック系はRAのDJチャートなどなど。特にHi-Hi-Whoopeeさんには本当にお世話になりました。現在諸事情により活動停止中のでようですが、以下の曲の多くがHi-Hi-Whoopeeで知った曲です。
10位からコメント付き。
30. bine☃ - CHANGED
29. Tiësto - Wasted ft. Matthew Koma
28. Kero Kero Bonito - Build It Up
27. Rochelle Jordan - There You Go
26. Taylor McFerrin - Already There ft. Robert Glasper & Thundercat
25. Usher - Good Kisser
24. Oneohtrix Point Never - Rush
23. OZZIE - Me & You
22. Aphex Twin - "XMAS_EVET10 [120]" (thanaton3 mix)
21. Arca - Thievery
20. QT - Hey QT
19. Lil Herb - Fight or Flight RMX f: Common & Chance The Rapper
18. Ariana Grande - Problem ft. Iggy Azalea
(※MVよりこっちのLyric Videoの方が絶対良い)
17. Kendrick Lamar - i
16. l s d x o x o - vxxdxxpvssy
15. Run The Jewels - Close Your Eyes (And Count To Fuck) [Feat. Zack de la Rocha]
14. Wild Thought - lamentations
13. レキシ - 年貢 for you feat. 旗本ひろし、足軽先生
12. Flying Lotus - Never Catch Me ft. Kendrick Lamar
11. Recondite - Caldera
10. スーパーセックス永遠に SUPERSEX420 - 私は性交のような高いPar t y おっぱい
良質のFuture Funkを作り続けているスーパーセックス永遠に SUPERSEX420の(たぶん)デビュー作。Vaporwave由来のローファイさとダンス・ミュージックとしての機能性のバランスが最高。
9. Calvin Harris - Summer
軽薄で、マッチョで、金の匂いしかしなくて、でも一度聴いたら耳から離れなくて、問答無用でアガる。消費物としてのEDMの1つの「極点」。たぶんこの方向においては、EDMはもうこれ以上前に進めないのだろうと思う。
8. Kid Ink feat. Usher & Tinashe - Body Language
イントロのシンセで一気に持ってかれたけど、全編に渡ってちょっと信じられないほどポップ。これはただ事ではないと思って調べたらプロデュースにCashmere Catが入っていて、納得。Cashmere Catについてはこの後また触れることになるだろう。
7. BOOTS - DUST
一個前の記事でも書いたけど、絶対に低音が鳴る(鳴りすぎるくらいでちょうどいい)環境で聴いて頂きたい。BOOTSはRun The Jewelsのアルバムにも参加して急速に名前が知られつつある。今後が楽しみ。
6. D/P/I - 012
1つ1つの音が質量を持って、確かに実在しているのを感じる。昨年のOPNのアルバムに収録されたいくつかの曲やD/P/Iの曲は、「音楽」ではない別の領域に足を踏み入れている気がする。マテリアル。
5. Porter Robinson - Lionhearted ft. Urban Cone
昨今のEDM界隈で「『Summer』の向こう側」を予感させる数少ない存在、Porter Robinson。この音はロックファンにも受け入れられるだろう。原宿の「kawaii」ショップ店員が街を8bitに塗り替えていくMVもなかなか良い。
4. BUFFLO - Nils Frahm
クラシカルなピアノ、シャウト、ざらつくノイズ、美麗な電子音、ハードなギター。雑多な要素が一体となって一気に押し寄せて来るが、統一感は決して失われず、ただただ全てが暴力的で、美しい。どんな音楽的嗜好の持ち主でも「どこか」には引っかかるのではないだろうか。MVも好き。
3. Ariana Grande - Be My Baby feat. Cashmere Cat (Edit)
大ヒットアルバム収録曲の、Cashmere Cat自らによるエディット・バージョン。アルバム・バージョンも好きだけど、こっちは完璧。残念ながらCashmere CatがSound Cloudに上げていた音源が消えてしまったので、非正規転載版で(できればもう少し音質の良い「正規版」で聴いて頂きかった)。「引き算の美学」を感じる。
2. Seiho - Double Bed
3位の曲とこの曲を聴いて頂けると、自分にとっての「2014年の音楽」がどんなものなのか、わかって頂けると思う。西のCashmere Cat、東のSeiho。とにかく全編に渡ってセンスの塊。特に、よれたサックスから入って徐々にクライマックスに達する「間奏(1:15~1:59)」部分は、この世のものとは思えない。
1. Jazmine Sullivan - Forever Don't Last
技巧を凝らした最先端の音を差し置いて、結局は「魂のこもった人間の歌声」に軍配を上げるというのは、出来過ぎた、というか、見え透いた結果で、避けたかったところではある。しかし、実際そうなってしまったのだから仕方ない。
【特別枠①】Burial - Come Down To Us
昨年末発表の曲だけど、自分が「本当の意味で」この曲を聴いたのは今年になってからのような気がする。あるいは、自分はまだ、この曲をつかまえきれていないのかもしれない。
【特別枠②】Todd Terje - Inspector Norse
今年アルバムが発売されたので久しぶりに聴いたけど、本当に、本当に、何百回、何千回、何万回聴いても気分が良くなる。奇跡みたいな曲。
2014年8月4日月曜日
■R&B的な何か
最近R&B的な何かをよく聴いている。「インディーR&B」とか「PBR&B」とか「Alternative R&B」とか呼ばれてるものも含めて。まず昨年メインストリームでぶっ飛ばしてくれたこの辺の一派(いきなり「Holy Grail」が「半分」R&Bじゃないけど)。
3曲ともTimbalandとJ-Rocのチームがプロデュースに入ってる。彼ららしい「808っぽい」(実際に使っているかどうかは別)音が特徴的。
そして「Partition」はじめBeyoncéのセルフ・タイトルアルバムの楽曲の多くに参加してそのアルバムの基調を決めた新進のアーティストBoots。この曲、個人的に凄い好き。ただ、低音がしっかり出る環境で聴かないとただの「Wanderwall」になるので、しっかり低音が出る環境でドローン感を楽しんで頂きたい。
UsherもやっぱりEDMより生っぽい音の方が合う。
今や説明不要のFKA Twigs。
ついでになるけどFKA Twigsのプロデュースに入ってるArcaの今後の展開も楽しみ。
そしてHow to Dress Well。
R&Bをカットアプした(っぽい)Seihoのこれも最高。
それにしても「Baby」って便利で素敵な言葉だ。
3曲ともTimbalandとJ-Rocのチームがプロデュースに入ってる。彼ららしい「808っぽい」(実際に使っているかどうかは別)音が特徴的。
そして「Partition」はじめBeyoncéのセルフ・タイトルアルバムの楽曲の多くに参加してそのアルバムの基調を決めた新進のアーティストBoots。この曲、個人的に凄い好き。ただ、低音がしっかり出る環境で聴かないとただの「Wanderwall」になるので、しっかり低音が出る環境でドローン感を楽しんで頂きたい。
UsherもやっぱりEDMより生っぽい音の方が合う。
今や説明不要のFKA Twigs。
ついでになるけどFKA Twigsのプロデュースに入ってるArcaの今後の展開も楽しみ。
そしてHow to Dress Well。
R&Bをカットアプした(っぽい)Seihoのこれも最高。
それにしても「Baby」って便利で素敵な言葉だ。
2013年12月26日木曜日
■2013年下半期の五冊
2013年下半期に読んだ本の中から、特に印象に残ったものを5冊紹介致します。「2013年下半期に発売された本」とは限らず、自分が「2013年下半期に読んだ本」なのでご了承ください。順不同です。
(参考)
■2011年上半期の五冊
■2013年上半期の五冊
ジョン・アーヴィング/小竹由美子訳
『ひとりの体で(上)(下)』
(新潮社、2013年10月)
いつものアーヴィング。
ジョー・ブスケ/谷口清彦、右崎有希訳
『傷と出来事』
(河出書房新社、2013年7月)
傷が絆になる。
千葉雅也
『動きすぎてはいけない―ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』
(河出書房新社、2013年10月)
見通しのよさ。
蓮實重彦
「『ボヴァリー夫人』論 序章 読むことの始まりに向けて I 散文と歴史」
(『新潮』2014年1月号掲載)
来たるべき書物の予兆。
仁賀克雄
『決定版 切り裂きジャック』
(ちくま文庫、2013年8月)
愛を感じる。
(参考)
■2011年上半期の五冊
■2013年上半期の五冊
ジョン・アーヴィング/小竹由美子訳
『ひとりの体で(上)(下)』
(新潮社、2013年10月)
いつものアーヴィング。
ジョー・ブスケ/谷口清彦、右崎有希訳
『傷と出来事』
(河出書房新社、2013年7月)
傷が絆になる。
千葉雅也
『動きすぎてはいけない―ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』
(河出書房新社、2013年10月)
見通しのよさ。
蓮實重彦
「『ボヴァリー夫人』論 序章 読むことの始まりに向けて I 散文と歴史」
(『新潮』2014年1月号掲載)
来たるべき書物の予兆。
仁賀克雄
『決定版 切り裂きジャック』
(ちくま文庫、2013年8月)
愛を感じる。
2013年7月15日月曜日
■外交史関連資料簡易ポータル(2013年8月19日更新)
外交史でよく使われる資料で、ネットで閲覧出来るものをまとめました。会員登録など特別な手続きなしで誰でも無料で閲覧出来るもののみです。順次、追加・修正していく予定です。
本ポータルの作成にあたり、様々な方から情報提供を頂いております。皆様に心より御礼申し上げます。
更新情報:
21013.9.19.15:00
・アメリカ「①FRUS」の「カーター政権」に新しく出た巻を追加しました
・日本に「③その他」を追加しました
・NATOに「ポール=アンリ・スパークの個人文書」を追加しました
・その他細部に変更を施しました
2013.8.19.20:00
・アメリカの「①FRUS」で直接各巻に飛べるようにしました(ケネディ政権以降のみ)
アメリカ イギリス 日本 NATO
○アメリカ
①Foreign Relations of the United States [FRUS]
ケネディ以前の政権(Pre-Kennedy)
ケネディ政権(1961.1–63.11) 全25(+5)巻 全巻一覧
ジョンソン政権(63.11–69.1) 全34巻 全巻一覧
ニクソン―フォード政権(69.1–77.1) 現在全50巻 全巻一覧
カーター政権(77.1–81.1) 現在全3巻
②The Public Papers of the Presidents of the United States [PPPUS]
トルーマン:1945 1946 1947 1948 1949 1950 1951 1952-53
アイゼンハワー:1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959
1960-61
ケネディ:1961 1962 1963
ジョンソン:1963-64① 1964-64② 1965① 1965② 1966① 1966②
1967① 1967② 1968-69① 1968-69②
ニクソン:1969 1970 1971 1972 1973 1974
フォード:1974 1975① 1975② 1976-77① 1976-77② 1976-77③
カーター:1977① 1977② 1978① 1978② 1979① 1979②
1980-81① 1980-81② 1980-81③
レーガン:1981 1982① 1982② 1983① 1983② 1984① 1984②
1985① 1985② 1986① 1986② 1987① 1987②
1988-89① 1988-89②
③オーラル・ヒストリー
Association for Diplomatic Studies and Training
http://adst.org/oral-history/oral-history-interviews/
※1800人を超えるアメリカの外交官のオーラルが閲覧出来る
Truman Library:Oral History Interviews
http://www.trumanlibrary.org/oralhist/oral_his.htm
※トルーマン大統領図書館のコレクション
Eisenhower Presidential Library:Oral Histories
http://www.eisenhower.archives.gov/research/oral_histories.html
※アイゼンハワー大統領図書館のコレクション等が一部閲覧出来る。
ネット公開されているかどうかはリストから確認が必要。
John F. Kennedy Presidential Library:Oral History Collections
http://www.jfklibrary.org/Search.aspx?nav=N:16-25
※ケネディ大統領図書館のコレクション
Lyndon B. Johnson Presidential Library:Oral History Collection
http://www.lbjlib.utexas.edu/johnson/archives.hom/biopage.asp
※ジョンソン大統領図書館のコレクション
Nixon Presidential Library:Oral Histories
http://www.nixonlibrary.gov/forresearchers/find/histories.php
※ニクソン大統領図書館のコレクション。一部が動画で閲覧出来る
Gerald R. Ford Oral History Project
http://geraldrfordfoundation.org/centennial/oralhistory/
※フォード元大統領の関係者約160人分のオーラルが閲覧出来る
○イギリス
※イギリス外交史の最も基本的な公刊資料集である『Documents on British Policy Overseas (DBPO)』、あるいはその前身の各資料集の公刊状況については、こちら
①The National Archives[TNA]
○TNA資料検索システム:Discovery
○CAB(内閣文書)シリーズ
・第1次大戦中(1916~1919年)
CAB 23:Cabinet Conclusions:内閣閣議録
CAB 24:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム
・戦間期(1919年~1939年)
CAB 23:Cabinet Conclusions:内閣閣議録
CAB 24:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム
・第2次大戦中(1939年~1945年)
CAB 65:Cabinet Conclusions:内閣閣議録
CAB 66:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム①
CAB 67:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム②
CAB 68:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム③
・第2次大戦後(1945~1983年)
CAB 128:Cabinet Conclusions:内閣閣議録
CAB 129:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム
CAB 131:Defence Committee:内閣防衛委員会(~1963年)
○FO 800:外務大臣関連文書
※FO 800/1-522、およびFO 800/750-851がネットでダウンロード可
※30、40年代のイーデン文書についてはFO 954で有料ダウンロード可
【外務大臣】
1900年11月~02年7月
FO 800/115-146
ランズダウン(Marquess of Lansdowne)
1905年12月~16年12月
FO 800/35-113
エドワード・グレイ(Sir Edward Grey)
1916年12月~19年10月
FO 800/199-217
バルフォア(Earl of Balfour)
1919年10月~24年1月
FO 800/147-158
カーズン(Marquess of Kedleston Curzon)
1924年1月~24年11月
FO 800/218-219
マクドナルド(James Ramsay MacDonald)
1924年11月~29年6月
FO 800/256-263
オースティン・チェンバレン(Sir Austen Chamberlain)
1929年6月~31年8月
FO 800/280-284
アーサー・ヘンダーソン(Rt. Hon. Arthur Henderson)
1931年8月~31年10月
FO 800/222-225
レディング(Marquess of Reading)
1931年10月~35年6月
FO 800/285-291
ジョン・サイモン(Sir John Simon)
1938年2月~40年5月
FO 800/309-328
ハリファックス(Viscount Halifax)
1945年7月~51年10月
FO 800/434-522
アーネスト・べヴィン(Ernest Bevin)
1954年10月日~55年4月
FO 800/750-851
アンソニー・イーデン(Sir Anthony Eden)
【外務大臣以外の外交官等】
FO 800/6-20: Sir Frank Lascelles
FO 800/22-24: Sir Francis Hyde Villiers
FO 800/25-28: Sir James Fergusson
FO 800/29-31: Sir Walter Langley
FO 800/32-33: Professor Vambéry
FO 800/34: Sir J. W. Lowther
FO 800/195-198: Viscount Cecil
FO 800/229-231: George Canning
FO 800/233-234: Sir Lewis Pelly
FO 800/235-239: George Errington
FO 800/241-242: Sir C. A. Spring Rice
FO 800/244-248: Sir Beilby Francis Alston
FO 800/252-254: Sir L. Oliphant
FO 800/264-271: Sir Nevile Henderson
FO 800/272-278: Sir Orme Sargent
FO 800/293-294: Sir Alexander Cadogan
FO 800/298-303: Baron Inverchapel
FO 800/304-397: Viscount Runciman
FO 800/331-335: James Bryce
FO 800/336-381: Sir Arthur Nicolson
FO 800/382-400: Private Office papers: Miscellaneous
FO 800/401-418: Private Secretaries' Papers
FO 800/419-433: Sir Nevile Butler
○PREM 19:サッチャー期首相文書
PREM 19
※PREM 19/1-385(1979~81年)が閲覧可
○Digital microfilm
http://www.nationalarchives.gov.uk/records/digital-microfilm.htm
※デジタル化されているファイルの一覧。ほとんどがネットで閲覧出来る
②British Diplomatic Oral History Programme
[BDOHP]
http://www.chu.cam.ac.uk/archives/collections/BDOHP/
※イギリスの外交官のオーラル・ヒストリーが閲覧出来る
③Hansard
※イギリス議会の議事録
※大体の時期が特定出来ている場合、以下の時系列検索で探すと便利
下院議会(Commons):19世紀 20世紀 21世紀
上院議会(Lords):19世紀 20世紀 21世紀
○日本
①外交関連各種資料
日本外交文書デジタルアーカイブ:外務省・外交史料館
※日本外交史の基本資料集である『日本外交文書』が閲覧出来る。
ただし閲覧のためには「Djvuビューアー」のダウンロードが必要
(こちらから無料でダウンロード可)。
アジア歴史資料データベース検索:アジア歴史資料センター
※「国立公文書館」、「外務省外交史料館」、「防衛研究所戦史研究センター」
3資料館の資料を検索し、デジタル化されているものを閲覧出来る。
資料の概要についてはこちらを参照。
国立国会図書館デジタル化資料:国立国会図書館
※国立国会図書館のデジタル化資料を検索・閲覧出来る
いわゆる「密約」問題の調査について:外務省
※日米安保の「密約」問題をめぐる報告書と文書
「"核"を求めた日本」報道において取り上げられた文書等に関する
調査について:外務省
※NHKの番組「"核"を求めた日本」を受けての調査の報告書と関連文書
データベース「世界と日本」:田中明彦研究室
※東京大学・田中明彦教授の研究室が中心となって作成している
データべース。日本外交史に関する多数の資料が閲覧出来る
②オーラル・ヒストリー
○「C.O.E. オーラル・政策研究プロジェクト」オーラルヒストリー
伊藤圭一(元内閣国防会議事務局長)
上原信夫(元沖縄民主同盟青年部長)
扇一登(元海軍大佐)
海原治(元内閣国防会議事務局長)
海部俊樹(元内閣総理大臣)
栗山尚一(元駐米大使)転換期の日米関係
栗山尚一(元駐米大使)湾岸戦争と日本外交
斎藤彰(読売新聞 元アメリカ総局長)
夏目晴雄(元防衛事務次官)
藤波孝生(元内閣官房長官)
宝珠山昇(元防衛施設庁長官)
松野頼三(元自民党衆議院議員)
宮崎弘道(元外務審議官、元駐西ドイツ大使)
吉野文六(元駐ドイツ大使)
吉元政矩(元沖縄県副知事)
○National Security Archive:U.S.-Japan Project
浅尾新一郎(元駐イタリア大使) [日本語版PDF]
藤井一夫(元防衛施設庁長官) [日本語PDF]
行天豊雄(元財務官) [日本語版PDF]
宝珠山昇(元防衛施設庁長官) [日本語版PDF]
柏木雄介(元財務官) [日本語版PDF]
菊池清明(元国連大使、元外務審議官) [日本語版PDF]
栗原祐幸(元防衛庁長官) [日本語版PDF]
楠田実(元佐藤栄作首相秘書官) [日本語PDF]
丸山昂(元防衛事務次官) [日本語PDF]
中江要介(元駐中華人民共和国大使) [日本語PDF]
夏目晴雄(元防衛事務次官) [日本語版PDF]
西広整輝(元防衛事務次官) [日本語PDF]
大賀良平(元海上幕僚長) [日本版PDF]
岡崎久彦(元駐タイ日本国特命大使) [日本語版PDF]
大森敬治(元駐オマーン大使) [日本語版PDF]
坂田道太(元防衛庁長官) [日本語版PDF]
左近允尚敏(元統合幕僚会議事務局長) [日本語版PDF]
鮫島博一(元統合幕僚会議議長) [日本語版PDF]
吉野文六(元駐ドイツ大使) [日本語版PDF]
渡辺昭夫 [日本語PDF]
渡辺幸治(元ロシア大使) [日本語PDF]
James Auer(former chair of Japan Desk at Pentagon)
William Brock(former U.S. Trade Representative
and Secretary of Labor)
Armin Meyer(former US ambassador to Japan, 1969-1971)
○NATO
NATO Official texts
※NATOの公式文書を検索出来る
NATO Strategy Documents 1949-1969
※NATOの戦略指針を定めるMCとDCが閲覧出来る
"Forging the weapon"The origins of SHAPE
※SHAPEの形成に関する記録と関連資料が閲覧出来る
NATO’s First Enlargement: Greece and Turkey 1952
※1952年のギリシャ、トルコのNATO加盟に関する資料
Military Planning for Berlin Emergency (1961-1968)
※ベルリン危機時の軍事作戦計画に関する資料
Future Tasks of the Alliance - "Harmel Report" (1967)
※1967年の「ハルメル報告」に関する資料
Paul-Henri Spaak documents from 1883 to 1986
※1957年から1961年の間NATO事務総長を務めたスパークの個人文書
The "Private Papers" belonging to former NATO
Secretary General Joseph Luns (1971-1980)
※1971年から1980年の間NATO事務総長を務めたルンスの個人文書
Documents Related to Events in Poland (1980 - 1984)
※ポーランド戒厳令を巡る対応等に関する資料
本ポータルの作成にあたり、様々な方から情報提供を頂いております。皆様に心より御礼申し上げます。
更新情報:
21013.9.19.15:00
・アメリカ「①FRUS」の「カーター政権」に新しく出た巻を追加しました
・日本に「③その他」を追加しました
・NATOに「ポール=アンリ・スパークの個人文書」を追加しました
・その他細部に変更を施しました
2013.8.19.20:00
・アメリカの「①FRUS」で直接各巻に飛べるようにしました(ケネディ政権以降のみ)
アメリカ イギリス 日本 NATO
○アメリカ
①Foreign Relations of the United States [FRUS]
ケネディ以前の政権(Pre-Kennedy)
ケネディ政権(1961.1–63.11) 全25(+5)巻 全巻一覧
ジョンソン政権(63.11–69.1) 全34巻 全巻一覧
ニクソン―フォード政権(69.1–77.1) 現在全50巻 全巻一覧
カーター政権(77.1–81.1) 現在全3巻
②The Public Papers of the Presidents of the United States [PPPUS]
トルーマン:1945 1946 1947 1948 1949 1950 1951 1952-53
アイゼンハワー:1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959
1960-61
ケネディ:1961 1962 1963
ジョンソン:1963-64① 1964-64② 1965① 1965② 1966① 1966②
1967① 1967② 1968-69① 1968-69②
ニクソン:1969 1970 1971 1972 1973 1974
フォード:1974 1975① 1975② 1976-77① 1976-77② 1976-77③
カーター:1977① 1977② 1978① 1978② 1979① 1979②
1980-81① 1980-81② 1980-81③
レーガン:1981 1982① 1982② 1983① 1983② 1984① 1984②
1985① 1985② 1986① 1986② 1987① 1987②
1988-89① 1988-89②
③オーラル・ヒストリー
Association for Diplomatic Studies and Training
http://adst.org/oral-history/oral-history-interviews/
※1800人を超えるアメリカの外交官のオーラルが閲覧出来る
Truman Library:Oral History Interviews
http://www.trumanlibrary.org/oralhist/oral_his.htm
※トルーマン大統領図書館のコレクション
Eisenhower Presidential Library:Oral Histories
http://www.eisenhower.archives.gov/research/oral_histories.html
※アイゼンハワー大統領図書館のコレクション等が一部閲覧出来る。
ネット公開されているかどうかはリストから確認が必要。
John F. Kennedy Presidential Library:Oral History Collections
http://www.jfklibrary.org/Search.aspx?nav=N:16-25
※ケネディ大統領図書館のコレクション
Lyndon B. Johnson Presidential Library:Oral History Collection
http://www.lbjlib.utexas.edu/johnson/archives.hom/biopage.asp
※ジョンソン大統領図書館のコレクション
Nixon Presidential Library:Oral Histories
http://www.nixonlibrary.gov/forresearchers/find/histories.php
※ニクソン大統領図書館のコレクション。一部が動画で閲覧出来る
Gerald R. Ford Oral History Project
http://geraldrfordfoundation.org/centennial/oralhistory/
※フォード元大統領の関係者約160人分のオーラルが閲覧出来る
○イギリス
※イギリス外交史の最も基本的な公刊資料集である『Documents on British Policy Overseas (DBPO)』、あるいはその前身の各資料集の公刊状況については、こちら
①The National Archives[TNA]
○TNA資料検索システム:Discovery
○CAB(内閣文書)シリーズ
・第1次大戦中(1916~1919年)
CAB 23:Cabinet Conclusions:内閣閣議録
CAB 24:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム
・戦間期(1919年~1939年)
CAB 23:Cabinet Conclusions:内閣閣議録
CAB 24:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム
・第2次大戦中(1939年~1945年)
CAB 65:Cabinet Conclusions:内閣閣議録
CAB 66:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム①
CAB 67:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム②
CAB 68:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム③
・第2次大戦後(1945~1983年)
CAB 128:Cabinet Conclusions:内閣閣議録
CAB 129:Cabinet Memoranda:内閣メモランダム
CAB 131:Defence Committee:内閣防衛委員会(~1963年)
○FO 800:外務大臣関連文書
※FO 800/1-522、およびFO 800/750-851がネットでダウンロード可
※30、40年代のイーデン文書についてはFO 954で有料ダウンロード可
【外務大臣】
1900年11月~02年7月
FO 800/115-146
ランズダウン(Marquess of Lansdowne)
1905年12月~16年12月
FO 800/35-113
エドワード・グレイ(Sir Edward Grey)
1916年12月~19年10月
FO 800/199-217
バルフォア(Earl of Balfour)
1919年10月~24年1月
FO 800/147-158
カーズン(Marquess of Kedleston Curzon)
1924年1月~24年11月
FO 800/218-219
マクドナルド(James Ramsay MacDonald)
1924年11月~29年6月
FO 800/256-263
オースティン・チェンバレン(Sir Austen Chamberlain)
1929年6月~31年8月
FO 800/280-284
アーサー・ヘンダーソン(Rt. Hon. Arthur Henderson)
1931年8月~31年10月
FO 800/222-225
レディング(Marquess of Reading)
1931年10月~35年6月
FO 800/285-291
ジョン・サイモン(Sir John Simon)
1938年2月~40年5月
FO 800/309-328
ハリファックス(Viscount Halifax)
1945年7月~51年10月
FO 800/434-522
アーネスト・べヴィン(Ernest Bevin)
1954年10月日~55年4月
FO 800/750-851
アンソニー・イーデン(Sir Anthony Eden)
【外務大臣以外の外交官等】
FO 800/6-20: Sir Frank Lascelles
FO 800/22-24: Sir Francis Hyde Villiers
FO 800/25-28: Sir James Fergusson
FO 800/29-31: Sir Walter Langley
FO 800/32-33: Professor Vambéry
FO 800/34: Sir J. W. Lowther
FO 800/195-198: Viscount Cecil
FO 800/229-231: George Canning
FO 800/233-234: Sir Lewis Pelly
FO 800/235-239: George Errington
FO 800/241-242: Sir C. A. Spring Rice
FO 800/244-248: Sir Beilby Francis Alston
FO 800/252-254: Sir L. Oliphant
FO 800/264-271: Sir Nevile Henderson
FO 800/272-278: Sir Orme Sargent
FO 800/293-294: Sir Alexander Cadogan
FO 800/298-303: Baron Inverchapel
FO 800/304-397: Viscount Runciman
FO 800/331-335: James Bryce
FO 800/336-381: Sir Arthur Nicolson
FO 800/382-400: Private Office papers: Miscellaneous
FO 800/401-418: Private Secretaries' Papers
FO 800/419-433: Sir Nevile Butler
○PREM 19:サッチャー期首相文書
PREM 19
※PREM 19/1-385(1979~81年)が閲覧可
○Digital microfilm
http://www.nationalarchives.gov.uk/records/digital-microfilm.htm
※デジタル化されているファイルの一覧。ほとんどがネットで閲覧出来る
②British Diplomatic Oral History Programme
[BDOHP]
http://www.chu.cam.ac.uk/archives/collections/BDOHP/
※イギリスの外交官のオーラル・ヒストリーが閲覧出来る
③Hansard
※イギリス議会の議事録
※大体の時期が特定出来ている場合、以下の時系列検索で探すと便利
下院議会(Commons):19世紀 20世紀 21世紀
上院議会(Lords):19世紀 20世紀 21世紀
○日本
①外交関連各種資料
日本外交文書デジタルアーカイブ:外務省・外交史料館
※日本外交史の基本資料集である『日本外交文書』が閲覧出来る。
ただし閲覧のためには「Djvuビューアー」のダウンロードが必要
(こちらから無料でダウンロード可)。
アジア歴史資料データベース検索:アジア歴史資料センター
※「国立公文書館」、「外務省外交史料館」、「防衛研究所戦史研究センター」
3資料館の資料を検索し、デジタル化されているものを閲覧出来る。
資料の概要についてはこちらを参照。
国立国会図書館デジタル化資料:国立国会図書館
※国立国会図書館のデジタル化資料を検索・閲覧出来る
いわゆる「密約」問題の調査について:外務省
※日米安保の「密約」問題をめぐる報告書と文書
「"核"を求めた日本」報道において取り上げられた文書等に関する
調査について:外務省
※NHKの番組「"核"を求めた日本」を受けての調査の報告書と関連文書
データベース「世界と日本」:田中明彦研究室
※東京大学・田中明彦教授の研究室が中心となって作成している
データべース。日本外交史に関する多数の資料が閲覧出来る
②オーラル・ヒストリー
○「C.O.E. オーラル・政策研究プロジェクト」オーラルヒストリー
伊藤圭一(元内閣国防会議事務局長)
上原信夫(元沖縄民主同盟青年部長)
扇一登(元海軍大佐)
海原治(元内閣国防会議事務局長)
海部俊樹(元内閣総理大臣)
栗山尚一(元駐米大使)転換期の日米関係
栗山尚一(元駐米大使)湾岸戦争と日本外交
斎藤彰(読売新聞 元アメリカ総局長)
夏目晴雄(元防衛事務次官)
藤波孝生(元内閣官房長官)
宝珠山昇(元防衛施設庁長官)
松野頼三(元自民党衆議院議員)
宮崎弘道(元外務審議官、元駐西ドイツ大使)
吉野文六(元駐ドイツ大使)
吉元政矩(元沖縄県副知事)
○National Security Archive:U.S.-Japan Project
浅尾新一郎(元駐イタリア大使) [日本語版PDF]
藤井一夫(元防衛施設庁長官) [日本語PDF]
行天豊雄(元財務官) [日本語版PDF]
宝珠山昇(元防衛施設庁長官) [日本語版PDF]
柏木雄介(元財務官) [日本語版PDF]
菊池清明(元国連大使、元外務審議官) [日本語版PDF]
栗原祐幸(元防衛庁長官) [日本語版PDF]
楠田実(元佐藤栄作首相秘書官) [日本語PDF]
丸山昂(元防衛事務次官) [日本語PDF]
中江要介(元駐中華人民共和国大使) [日本語PDF]
夏目晴雄(元防衛事務次官) [日本語版PDF]
西広整輝(元防衛事務次官) [日本語PDF]
大賀良平(元海上幕僚長) [日本版PDF]
岡崎久彦(元駐タイ日本国特命大使) [日本語版PDF]
大森敬治(元駐オマーン大使) [日本語版PDF]
坂田道太(元防衛庁長官) [日本語版PDF]
左近允尚敏(元統合幕僚会議事務局長) [日本語版PDF]
鮫島博一(元統合幕僚会議議長) [日本語版PDF]
吉野文六(元駐ドイツ大使) [日本語版PDF]
渡辺昭夫 [日本語PDF]
渡辺幸治(元ロシア大使) [日本語PDF]
James Auer(former chair of Japan Desk at Pentagon)
William Brock(former U.S. Trade Representative
and Secretary of Labor)
Armin Meyer(former US ambassador to Japan, 1969-1971)
○NATO
NATO Official texts
※NATOの公式文書を検索出来る
NATO Strategy Documents 1949-1969
※NATOの戦略指針を定めるMCとDCが閲覧出来る
"Forging the weapon"The origins of SHAPE
※SHAPEの形成に関する記録と関連資料が閲覧出来る
NATO’s First Enlargement: Greece and Turkey 1952
※1952年のギリシャ、トルコのNATO加盟に関する資料
Military Planning for Berlin Emergency (1961-1968)
※ベルリン危機時の軍事作戦計画に関する資料
Future Tasks of the Alliance - "Harmel Report" (1967)
※1967年の「ハルメル報告」に関する資料
Paul-Henri Spaak documents from 1883 to 1986
※1957年から1961年の間NATO事務総長を務めたスパークの個人文書
The "Private Papers" belonging to former NATO
Secretary General Joseph Luns (1971-1980)
※1971年から1980年の間NATO事務総長を務めたルンスの個人文書
Documents Related to Events in Poland (1980 - 1984)
※ポーランド戒厳令を巡る対応等に関する資料
2013年7月2日火曜日
■2013年上半期の五冊
2013年上半期に読んだ本の中から、特に面白いと思ったものを5冊紹介致します。「2013年上半期に発売された本」とは限らず、自分が「2013年上半期に読んだ本」なのでご了承ください。順不同です。
鈴木健
『なめらかな社会とその敵―PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論』
(勁草書房、2013年1月)
スリリング。
村上衛
『海の近代中国―福建人の活動とイギリス・清朝』
(名古屋大学出版会、2013年2月)
細部のダイナミクス。
『思想』 No.1071
「特集 ポール・ド・マン―没後30年を迎えて」
(2013年6月)
色んな意味で奇跡。
モーリス・ブランショ/栗津則雄訳
『来るべき書物』
(ちくま学芸文庫、2013年1月)
来た。
ボードレール/横張誠編訳
『ボードレール語録』
(岩波現代文庫、2013年4月)
単なる「語録」ではない。
鈴木健
『なめらかな社会とその敵―PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論』
(勁草書房、2013年1月)
スリリング。
村上衛
『海の近代中国―福建人の活動とイギリス・清朝』
(名古屋大学出版会、2013年2月)
細部のダイナミクス。
『思想』 No.1071
「特集 ポール・ド・マン―没後30年を迎えて」
(2013年6月)
色んな意味で奇跡。
モーリス・ブランショ/栗津則雄訳
『来るべき書物』
(ちくま学芸文庫、2013年1月)
来た。
ボードレール/横張誠編訳
『ボードレール語録』
(岩波現代文庫、2013年4月)
単なる「語録」ではない。
2011年6月18日土曜日
■2011年上半期の五冊
2011年も半分が終わろうとしています。まさに「激動」と呼ぶに相応しい大変な半年間でしたが、読書に関しては、「当たり」に多く出会えた半年間でした。2011年上半期に読んだ本の中から、特に面白いと思ったものを5冊紹介致します。「2011年上半期に発売された本」とは限らず、あくまで自分が「2011年上半期に読んだ本」なのでご了承ください。順不同です。
エリック・ミラン/山下範久訳
『資本主義の起源と「西洋の勃興」』
(藤原書店、2011年3月)
比較研究の説得力。
平倉圭
『ゴダール的方法』
(インスクリプト、2010年12月)
「正しさ」とは何か。
鈴木多聞
『「終戦」の政治史 1943-1945』
(東京大学出版会、2011年2月)
やっぱり「分量」じゃなかった。
服部龍二
『日中国交正常化』
(中公新書、2011年5月)
とにかく面白い。
白戸圭一
『日本人のためのアフリカ入門』
(ちくま新書、2011年)
優れた「日本(人)論」。
エリック・ミラン/山下範久訳
『資本主義の起源と「西洋の勃興」』
(藤原書店、2011年3月)
比較研究の説得力。
平倉圭
『ゴダール的方法』
(インスクリプト、2010年12月)
「正しさ」とは何か。
鈴木多聞
『「終戦」の政治史 1943-1945』
(東京大学出版会、2011年2月)
やっぱり「分量」じゃなかった。
服部龍二
『日中国交正常化』
(中公新書、2011年5月)
とにかく面白い。
白戸圭一
『日本人のためのアフリカ入門』
(ちくま新書、2011年)
優れた「日本(人)論」。
2010年8月10日火曜日
■NHKの戦争関連コンテンツ
今年も8月を迎えました。しかも今年は原爆投下・終戦から65年、来年が太平洋戦争開戦から70年ということで、NHKの戦争関連特集にも力が入っています。
ネットのコンテンツも非常に充実しており、数多くの動画が公開されていたりと非常に有用なのですが、Flashを使っていたり、あちこちにコンテンツが分散していたりと若干使いにくいので、主だったところをまとめておきました。
いずれも2010年8月10日時点の情報です。
【ポータル】
戦争と平和:NHK
戦争証言アーカイブス:NHK
NO MORE HIBAKUSHA:NHK
NAGASAKI×PEACE:NHK長崎放送局
【動画】
証言記録 兵士たちの戦争: 戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全29番組)
証言記録 市民たちの戦争: 戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全9番組)
証言: 戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全305人分)
※「兵士たちの戦争」「市民たちの戦争」の各番組の証言場面の証言者別動画。「兵士たちの戦争」「市民たちの戦争」で未公開の証言も含まれている。
ドキュメント 太平洋戦争: 戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全6番組)
第1集 大日本帝国のアキレス腱 ~太平洋・シーレーン作戦~(動画)
第2集 敵を知らず己を知らず ~ガダルカナル~(動画)
第3集 エレクトロニクスが戦(いくさ)を制す ~マリアナ・サイパン~(動画)
第4集 責任なき戦場 ~ビルマ・インパール~(動画)
第5集 踏みにじられた南の島 ~レイテ・フィリピン~(動画)
第6集(最終回) 一億玉砕への道 ~日ソ終戦工作~(動画)
日本ニュース:戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全16番組)
ヒバクシャの声:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)・・(全55人分)
リーダーたちのメッセージ:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)・・(全17人分)
(パン・ギムン/秋葉忠利/田上富久/井上ひさし/姜尚中/セルジオ・デュアルテ/モートン・ハルベリン/相沢紗世/トム・シェ―パー/ダリル・キンボル/ウィリアム・ポター/レベッカ・ジョンソン/ティルマン・ラフ/アラン・ウェア/ニーナ・アイゼンハード/ジョルジョ・アルバ)
特集:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)・・(全8番組)
(「次の世代に伝える核廃絶の願い」/「被ばく者のきずな」(ポリネシア)/「セミパラチンスク」/「高校生が描く"原爆の絵"」/「英詩人がふれた被爆者の思い」/「2008年 高校生平和大使」/「高校生が作る被爆者ビデオレター」/「被爆者に今も続く血液の異常」)
映像アーカイブ:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)・・(全26番組)
(「ノーモア・ヒバクシャ~核兵器のない世界を目指して」(73分)/「NHKスペシャル『原爆の絵~市民が残す原爆の記憶』」(58分)/「被爆者 空白の十年」(69分)/「いのちのうた~レゲエアーティスト Metis『アオギリの木の下で…』(9分)/「週間こどもニュース『特集 そもそも"核"ってどういうもの?』」(13分)/「週間こどもニュース『特集 原爆を知っていますか?』」(21分)/「私のヒロシマ」(20人分))
一次審査通過者:いのちのうた(NHK広島放送局)・・(全9動画)
(「いのちのうた」コンサート一次審査通過者の歌を動画で見ることが出来る)
長崎 原爆 100人の証言:NAGASAKI×PEACE(NHK長崎放送局)・・(構築中)
(各々の放送回のページで「動画再生」をクリックすると動画が再生。「インタビュー詳細」をクリックでPDFテキスト閲覧)
【音声】
戦時録音資料: 戦争証言アーカイブス(NHK)
【その他文字資料等】
NUCLEAR FCTS|"数字"が語る核:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)
(各国の核弾頭保有数、核実験回数が一目で分かる地図)
"ヒロシマ"をさがそう!~市民とつくる被爆地図:NHK広島放送局
(被爆した建物などを検索できる地図)
ヒバクシャからの手紙:NHK広島放送局
(被爆者の手紙が数多く掲載されている)
拝啓 原爆ドーム様:NHK広島放送局
(「『平和』の2文字とそれに込めたメッセージ」が多数掲載されている)
ネットのコンテンツも非常に充実しており、数多くの動画が公開されていたりと非常に有用なのですが、Flashを使っていたり、あちこちにコンテンツが分散していたりと若干使いにくいので、主だったところをまとめておきました。
いずれも2010年8月10日時点の情報です。
【ポータル】
戦争と平和:NHK
戦争証言アーカイブス:NHK
NO MORE HIBAKUSHA:NHK
NAGASAKI×PEACE:NHK長崎放送局
【動画】
証言記録 兵士たちの戦争: 戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全29番組)
証言記録 市民たちの戦争: 戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全9番組)
証言: 戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全305人分)
※「兵士たちの戦争」「市民たちの戦争」の各番組の証言場面の証言者別動画。「兵士たちの戦争」「市民たちの戦争」で未公開の証言も含まれている。
ドキュメント 太平洋戦争: 戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全6番組)
第1集 大日本帝国のアキレス腱 ~太平洋・シーレーン作戦~(動画)
第2集 敵を知らず己を知らず ~ガダルカナル~(動画)
第3集 エレクトロニクスが戦(いくさ)を制す ~マリアナ・サイパン~(動画)
第4集 責任なき戦場 ~ビルマ・インパール~(動画)
第5集 踏みにじられた南の島 ~レイテ・フィリピン~(動画)
第6集(最終回) 一億玉砕への道 ~日ソ終戦工作~(動画)
日本ニュース:戦争証言アーカイブス(NHK)・・(全16番組)
ヒバクシャの声:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)・・(全55人分)
リーダーたちのメッセージ:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)・・(全17人分)
(パン・ギムン/秋葉忠利/田上富久/井上ひさし/姜尚中/セルジオ・デュアルテ/モートン・ハルベリン/相沢紗世/トム・シェ―パー/ダリル・キンボル/ウィリアム・ポター/レベッカ・ジョンソン/ティルマン・ラフ/アラン・ウェア/ニーナ・アイゼンハード/ジョルジョ・アルバ)
特集:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)・・(全8番組)
(「次の世代に伝える核廃絶の願い」/「被ばく者のきずな」(ポリネシア)/「セミパラチンスク」/「高校生が描く"原爆の絵"」/「英詩人がふれた被爆者の思い」/「2008年 高校生平和大使」/「高校生が作る被爆者ビデオレター」/「被爆者に今も続く血液の異常」)
映像アーカイブ:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)・・(全26番組)
(「ノーモア・ヒバクシャ~核兵器のない世界を目指して」(73分)/「NHKスペシャル『原爆の絵~市民が残す原爆の記憶』」(58分)/「被爆者 空白の十年」(69分)/「いのちのうた~レゲエアーティスト Metis『アオギリの木の下で…』(9分)/「週間こどもニュース『特集 そもそも"核"ってどういうもの?』」(13分)/「週間こどもニュース『特集 原爆を知っていますか?』」(21分)/「私のヒロシマ」(20人分))
一次審査通過者:いのちのうた(NHK広島放送局)・・(全9動画)
(「いのちのうた」コンサート一次審査通過者の歌を動画で見ることが出来る)
長崎 原爆 100人の証言:NAGASAKI×PEACE(NHK長崎放送局)・・(構築中)
(各々の放送回のページで「動画再生」をクリックすると動画が再生。「インタビュー詳細」をクリックでPDFテキスト閲覧)
【音声】
戦時録音資料: 戦争証言アーカイブス(NHK)
【その他文字資料等】
NUCLEAR FCTS|"数字"が語る核:NO MORE HIBAKUSHA(NHK)
(各国の核弾頭保有数、核実験回数が一目で分かる地図)
"ヒロシマ"をさがそう!~市民とつくる被爆地図:NHK広島放送局
(被爆した建物などを検索できる地図)
ヒバクシャからの手紙:NHK広島放送局
(被爆者の手紙が数多く掲載されている)
拝啓 原爆ドーム様:NHK広島放送局
(「『平和』の2文字とそれに込めたメッセージ」が多数掲載されている)
2010年6月20日日曜日
■ジジェク名文集
以前ちょっと触れたジジェクの本。やはり買わずに図書館で借りて読んでいます。
スラヴォイ・ジジェク/中山徹、鈴木英明訳
『大義を忘れるな―革命・テロ・反資本主義』
(青土社、2010年)
まだ読み始めたばかりですが、やはりジジェクは「色々な意味で」面白い。特に例示。ここまで読んだ部分での名文を紹介いたします。
まずは冒頭に掲げられた献辞。ジジェクが献辞を書くのは珍しいことです。
アラン・バディウが、私が講演をしていた部屋で聴衆にまざって座っていたときのこと、彼の携帯電話が突然鳴り出した(とはいえ、彼にとっては迷惑千万、それは私が彼に貸してあった私の携帯電話であった)。が、彼はスイッチを切るどころか、私の講演をおだやかにさえぎり、電話の相手の声が聞き取りやすくなるようにもう少し静かに話せないかと私に尋ねた。これが真の友情の行為でないとしたら、なにを友情というのか。というわけで、本書はアラン・バディウに捧げられる。
この献辞は非常に興味深く、精神分析的に考えて奥深いものです。ポイントは、バディウが持っていた携帯がジジェクのものである、ということです。おそらくかかってきた電話は、ジジェク宛のものでしょう。バディウは、「ジジェクを救うためにジジェクを遮った」のです。ジジェクへの呼びかけにジジェク本人に代わって応答するために、つまり「応答するジジェク」を救うために、「講演するジジェク」を抑圧したのです。
日本では、『風と共に去りぬ』でクラーク・ゲーブルがヴィヴィアン・リーにいう「正直おれの知ったこっちゃない」という台詞が、「ぼくたちのあいだにはすこし誤解があるようだ」という風に翻訳されている。つまり、日本的な上品さとエチケットが守られているわけだ。対照的に、(中華人民共和国にいる)中国人は、『カサブランカ』の台詞「美しい友情のはじまりだ!」を「われわれ二人はこれから反ファシズム闘争の新しい支部をつくるんだ!」と訳した。
(19-20頁)
本当でしょうか。
私は自著のカバーにこう記したい誘惑に駆られたことがある。「ジジェクは、ひまさえあればネットサーフィンをして児童ポルノをあさり、幼い息子に蜘蛛の足のむしり方を教えている…」。
(26頁)
これは、本の背表紙に書かれる著者紹介文の結びにしばしば「私的な」文(ex.「○○はひまさえあれば猫と遊び、チューリップの世話をしている」)が書かれることを揶揄し、こうした「彼もまた人間なのである」的な言説の問題点を論じる流れでの一文なのですが、ジジェクだけにどこまで冗談なのか図りかねるところがあります。
男の子と女の子が夜遅く彼女の家の前で、さよならをいって家路につこうとしている。男の子がためらいがちにいう。「コーヒーをごちそうになりたいんだけど、寄ってもいいかな」。女の子がこたえる。「ごめん、今夜はだめ、生理だから…」。この話を、慇懃さを意識して作りかえるとこうなるだろう。女の子がいう。「ねえ聞いて、生理が終わったの、家にいらっしゃいよ」。男の子がこたえる。「ごめん、今はコーヒーが飲みたい気分じゃないんだ…」。
(33頁)
「慇懃さ」が時に「残酷さ」を孕んでいることを指摘する文章です。「慇懃な態度」が人を傷つけるというようなことです。男の子はオブラートに包んで断ったつもりなのに、そうなっていないということでしょうか。日本には「慇懃無礼」という言葉がありますが、そういったものを指しているのでしょう。しかし例として本当に適切なのか、よくわかりません。
よく次から次へとこういう文章が思いつくものです。
スラヴォイ・ジジェク/中山徹、鈴木英明訳
『大義を忘れるな―革命・テロ・反資本主義』
(青土社、2010年)
まだ読み始めたばかりですが、やはりジジェクは「色々な意味で」面白い。特に例示。ここまで読んだ部分での名文を紹介いたします。
まずは冒頭に掲げられた献辞。ジジェクが献辞を書くのは珍しいことです。
アラン・バディウが、私が講演をしていた部屋で聴衆にまざって座っていたときのこと、彼の携帯電話が突然鳴り出した(とはいえ、彼にとっては迷惑千万、それは私が彼に貸してあった私の携帯電話であった)。が、彼はスイッチを切るどころか、私の講演をおだやかにさえぎり、電話の相手の声が聞き取りやすくなるようにもう少し静かに話せないかと私に尋ねた。これが真の友情の行為でないとしたら、なにを友情というのか。というわけで、本書はアラン・バディウに捧げられる。
この献辞は非常に興味深く、精神分析的に考えて奥深いものです。ポイントは、バディウが持っていた携帯がジジェクのものである、ということです。おそらくかかってきた電話は、ジジェク宛のものでしょう。バディウは、「ジジェクを救うためにジジェクを遮った」のです。ジジェクへの呼びかけにジジェク本人に代わって応答するために、つまり「応答するジジェク」を救うために、「講演するジジェク」を抑圧したのです。
日本では、『風と共に去りぬ』でクラーク・ゲーブルがヴィヴィアン・リーにいう「正直おれの知ったこっちゃない」という台詞が、「ぼくたちのあいだにはすこし誤解があるようだ」という風に翻訳されている。つまり、日本的な上品さとエチケットが守られているわけだ。対照的に、(中華人民共和国にいる)中国人は、『カサブランカ』の台詞「美しい友情のはじまりだ!」を「われわれ二人はこれから反ファシズム闘争の新しい支部をつくるんだ!」と訳した。
(19-20頁)
本当でしょうか。
私は自著のカバーにこう記したい誘惑に駆られたことがある。「ジジェクは、ひまさえあればネットサーフィンをして児童ポルノをあさり、幼い息子に蜘蛛の足のむしり方を教えている…」。
(26頁)
これは、本の背表紙に書かれる著者紹介文の結びにしばしば「私的な」文(ex.「○○はひまさえあれば猫と遊び、チューリップの世話をしている」)が書かれることを揶揄し、こうした「彼もまた人間なのである」的な言説の問題点を論じる流れでの一文なのですが、ジジェクだけにどこまで冗談なのか図りかねるところがあります。
男の子と女の子が夜遅く彼女の家の前で、さよならをいって家路につこうとしている。男の子がためらいがちにいう。「コーヒーをごちそうになりたいんだけど、寄ってもいいかな」。女の子がこたえる。「ごめん、今夜はだめ、生理だから…」。この話を、慇懃さを意識して作りかえるとこうなるだろう。女の子がいう。「ねえ聞いて、生理が終わったの、家にいらっしゃいよ」。男の子がこたえる。「ごめん、今はコーヒーが飲みたい気分じゃないんだ…」。
(33頁)
「慇懃さ」が時に「残酷さ」を孕んでいることを指摘する文章です。「慇懃な態度」が人を傷つけるというようなことです。男の子はオブラートに包んで断ったつもりなのに、そうなっていないということでしょうか。日本には「慇懃無礼」という言葉がありますが、そういったものを指しているのでしょう。しかし例として本当に適切なのか、よくわかりません。
よく次から次へとこういう文章が思いつくものです。
Label:
Books,
Neta,
Philosophy
2010年1月25日月曜日
■イデアは離散的なのか?―数・時空・意識
気がつけば前の書き込みから10日も経ってしまいました。この間何をしていたかと言うと、家にこもってひたすら本を読んでいました。食料と本を買いに出る以外は、本当に外に出ていません。修論執筆中に我慢していた分、読書欲が暴走しています(笑)
自分でも何を読んだのか忘れてしまいそうなので、以下に備忘録としてこの10日間に読んだ本を羅列してみます。最初から最後まで新たに全部読んだ本だけではなく、ちょこちょこ参照した本や、前に1度読んで読み返した本も含まれています。この10日間で最初から最後まで通読した本は、この内の8割くらいでしょうか。
テーマは大きく、「『リーマン予想』関連」、「『意識のハードプロブレム』関連」、「『時空の量子化』関連」、「『ペンローズ』関連」、「その他」の5つに分かれますね。
<リーマン予想>
リーマン予想-Wikipedia
・梅田亨、黒川信重、若山正人、中山さち子『ゼータの世界』(日本評論社、1999年)
・黒川信重、小川信也『リーマン予想のこれまでとこれから』(日本評論社、2009年)
・黒川信重『数学セミナー増刊 リーマン予想がわかる』(日本評論社、2009年)
・藤崎源二郎、森田康夫、山本芳彦『数論への出発[増補版]』(日本評論社、2004年)
・ジョン・ダービーシャー/松浦俊輔訳『素数に憑かれた人たち―リーマン予想への挑戦』(日経BP社、2004年)
<時空の量子化>
量子重力理論-Wikipedia
万物の理論-Wikipedia
ループ量子重力理論-Wikipedia
・ジョン・W・モファット/水谷淳訳『重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて』(早川書房、2009年)
・ピーター・ウォイト/松浦俊輔訳『ストリング理論は科学か―現代物理学と数学』(青土社、2007年)
・竹内薫『ループ量子重力入門』(工学社、2005年)
・郡司ペギオ-幸夫『時間の正体―デジャブ・因果論・量子論』(講談社選書メチエ、2008年)
・ブルース・シューム/森弘之『「標準模型」の宇宙-現代物理学の金字塔』(日経BP社、2009年)
・R.P.ファインマン/釜江常好、大貫昌子訳『光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学』(岩波現代文庫、2007年)
・『別冊数理科学 量子重力理論―広がる多彩な最前線』(サイエンス社、2009年)
<意識のハードプロブレム>
意識のハードプロブレム-Wikipedia
・山口裕之『認知哲学―心と脳のエピステモロジー』(新曜社、2009年)
・濱田穣『なぜヒトの脳だけが大きくなったか』(講談社ブルーバックス、2007年)
・マルコ・イアコボーニ/塩原通緒訳『ミラーニューロンの発見』(ハヤカワ新書juice、2009年)
・橋元淳一郎『0と1から意識は生まれるか―意識・時間・実在をめぐるハッシー式思考実験』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2009年)
<ペンローズ>
・ロジャー・ペンローズ/林一訳『皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則』(みすず書房、1994年)
・ロジャー・ペンローズ他/中村和幸訳『心は量子で語れるか―21世紀物理の進むべき道をさぐる』(講談社ブルーバックス、1999年)
・ロジャー・ペンローズ/竹内薫、茂木健一郎訳・解説『ペンローズの<量子脳>理論―心と科学的基礎をもとめて』(ちくま学芸文庫、2006年)
<その他>
・ゲーデル/林晋、八杉満利子訳・解説『不完全性定理』(岩波文庫、2006年)
・川上紳一、東條文治『最新 地球史がよくわかる本[第2版]』(秀和システム、2009年)
・砂田利一『現代数学への入門 行列と行列式』(岩波書店、2003年)
・竹内外史『新装版 集合とはなにか』(講談社ブルーバックス、2001年)
・メンデル・サックス/原田稔訳『相対論対量子論』(講談社ブルーバックス、1999年)
・『数理科学2010年1月号 特集:無限次元の魅力』(サイエンス社、2010年)
・高林武彦/吉田武監修『量子論の発展史』(ちくま学芸文庫、2002年)
「その他」の本はいずれも、他の4つのテーマのいずれかの周辺分野に関するものになっています。したがって基本的に、この10日間の読書は4つのテーマについて行われたのです。そしてこれら4つのテーマ、一見全く関連は無さそうですが、実は1つの統一的な問題意識の下で選ばれているのです。それは、「『ペンローズの3つの世界(プラトン的世界、物質的世界、精神的世界)』のいずれも、『離散性』をその本質として抱えているのではないか?」ということです。
わけわからんですね(笑)今はまだまとまってないので上手く説明できませんがとりあえず当面、この線で考えたり読んだりしていきたいと思います。いよいよ近日中にネットを修復しようかと考えていますし(まだしてなかった)、まとまったら何かここに書きますね。
自分でも何を読んだのか忘れてしまいそうなので、以下に備忘録としてこの10日間に読んだ本を羅列してみます。最初から最後まで新たに全部読んだ本だけではなく、ちょこちょこ参照した本や、前に1度読んで読み返した本も含まれています。この10日間で最初から最後まで通読した本は、この内の8割くらいでしょうか。
テーマは大きく、「『リーマン予想』関連」、「『意識のハードプロブレム』関連」、「『時空の量子化』関連」、「『ペンローズ』関連」、「その他」の5つに分かれますね。
<リーマン予想>
リーマン予想-Wikipedia
・梅田亨、黒川信重、若山正人、中山さち子『ゼータの世界』(日本評論社、1999年)
・黒川信重、小川信也『リーマン予想のこれまでとこれから』(日本評論社、2009年)
・黒川信重『数学セミナー増刊 リーマン予想がわかる』(日本評論社、2009年)
・藤崎源二郎、森田康夫、山本芳彦『数論への出発[増補版]』(日本評論社、2004年)
・ジョン・ダービーシャー/松浦俊輔訳『素数に憑かれた人たち―リーマン予想への挑戦』(日経BP社、2004年)
<時空の量子化>
量子重力理論-Wikipedia
万物の理論-Wikipedia
ループ量子重力理論-Wikipedia
・ジョン・W・モファット/水谷淳訳『重力の再発見―アインシュタインの相対論を超えて』(早川書房、2009年)
・ピーター・ウォイト/松浦俊輔訳『ストリング理論は科学か―現代物理学と数学』(青土社、2007年)
・竹内薫『ループ量子重力入門』(工学社、2005年)
・郡司ペギオ-幸夫『時間の正体―デジャブ・因果論・量子論』(講談社選書メチエ、2008年)
・ブルース・シューム/森弘之『「標準模型」の宇宙-現代物理学の金字塔』(日経BP社、2009年)
・R.P.ファインマン/釜江常好、大貫昌子訳『光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学』(岩波現代文庫、2007年)
・『別冊数理科学 量子重力理論―広がる多彩な最前線』(サイエンス社、2009年)
<意識のハードプロブレム>
意識のハードプロブレム-Wikipedia
・山口裕之『認知哲学―心と脳のエピステモロジー』(新曜社、2009年)
・濱田穣『なぜヒトの脳だけが大きくなったか』(講談社ブルーバックス、2007年)
・マルコ・イアコボーニ/塩原通緒訳『ミラーニューロンの発見』(ハヤカワ新書juice、2009年)
・橋元淳一郎『0と1から意識は生まれるか―意識・時間・実在をめぐるハッシー式思考実験』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2009年)
<ペンローズ>
・ロジャー・ペンローズ/林一訳『皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則』(みすず書房、1994年)
・ロジャー・ペンローズ他/中村和幸訳『心は量子で語れるか―21世紀物理の進むべき道をさぐる』(講談社ブルーバックス、1999年)
・ロジャー・ペンローズ/竹内薫、茂木健一郎訳・解説『ペンローズの<量子脳>理論―心と科学的基礎をもとめて』(ちくま学芸文庫、2006年)
<その他>
・ゲーデル/林晋、八杉満利子訳・解説『不完全性定理』(岩波文庫、2006年)
・川上紳一、東條文治『最新 地球史がよくわかる本[第2版]』(秀和システム、2009年)
・砂田利一『現代数学への入門 行列と行列式』(岩波書店、2003年)
・竹内外史『新装版 集合とはなにか』(講談社ブルーバックス、2001年)
・メンデル・サックス/原田稔訳『相対論対量子論』(講談社ブルーバックス、1999年)
・『数理科学2010年1月号 特集:無限次元の魅力』(サイエンス社、2010年)
・高林武彦/吉田武監修『量子論の発展史』(ちくま学芸文庫、2002年)
「その他」の本はいずれも、他の4つのテーマのいずれかの周辺分野に関するものになっています。したがって基本的に、この10日間の読書は4つのテーマについて行われたのです。そしてこれら4つのテーマ、一見全く関連は無さそうですが、実は1つの統一的な問題意識の下で選ばれているのです。それは、「『ペンローズの3つの世界(プラトン的世界、物質的世界、精神的世界)』のいずれも、『離散性』をその本質として抱えているのではないか?」ということです。
わけわからんですね(笑)今はまだまとまってないので上手く説明できませんがとりあえず当面、この線で考えたり読んだりしていきたいと思います。いよいよ近日中にネットを修復しようかと考えていますし(まだしてなかった)、まとまったら何かここに書きますね。
2009年6月1日月曜日
■1Q84
村上春樹最新作『1Q84』、読みました。本エントリ内、ネタバレはかなり注意深く避け、ほとんど皆無だと思いますがが、先入観を持たずに読みたい方はご注意ください。
27日(水)から並んでいた書店もあるようですが、正式な発売日である29日(金)の朝に購入しました。今回は見送るつもりだったのですが、書店で山積みになっているのを見てやはり我慢できませんでしたね。30日(土)の少しと、31日(日)の丸1日をかけて約1050頁読了しました。
忘れないうちに感想を記しておきたいと思います。たぶんネット上ではすでに数多くの書評が出ていると思いますが、まだ眼を通していません。ネットのみならず、TV・ラジオ・新聞等々の情報には一切触れていないので、この小説が世間でどのように評価されているのか、全くわかりません。従ってここに記すのは、全く混じり気のない、俺自身の生の感想です。それが世間の評価と全く同じなのか、あるいは180度違うのかわかりませんが、とにかく書いてみたいと思います。
まだ考えがまとまっていないので箇条書きに近いものですし、ネタバレを避けるためにまわりくどい記述になっています。わかりにくい文章ですが、ご容赦ください。あと、文体が若干「村上春樹的」になっているかもしれませんが、気にしないでください。これは一種の病気みたいなもので(笑)、村上春樹に限らず、長編小説を読んだ後、俺はしばらくその文体から「抜け出せなく」なってしまうのです。
・・・・・・・・
もしも小説を読むことに「予習」が必要ならば、この小説の「予習」として読むべき本は2つ。『アンダーグラウンド』と『走ることについて語るときに僕の語ること』だ。この小説は明らかにその2冊の延長線上にある。
文体は極めてシャープ。余分なものはほとんどない。純文学ではなく、大衆小説のようだ。言葉はかなり慎重に選び抜かれており、1つ1つの単語がまるで完成したパズルのピースのように、全体の中で自らのあるべき位置に収まっている。文体だけとってみれば、「日本文学の1つの到達点」と言って過言ではないほどの水準に達していると言えるだろう。
内容について。Book1の半分くらいまで、「これはまずい」と思いながら読んでいた。失敗作の匂いが漂っていたからだ。物語はこれまでの作品に比べて遥かに軽やかに進むが、その分「ひっかかり」が無く、全てが上滑って行く。物語の世界に入り込むことが出来ない。
Book1の後半になると、徐々に物語がこちらに訴えかけてくるようになる。後はいつもの村上春樹。一気に読ませる。しかし、この小説は「いい小説」なのか、判断がつかない。その判断は結局、最後から4頁目まで持ち越された。本当にそこまで、この物語が「どっちに転ぶか」わからなかったのだ。
最後から4頁目(Book2、498頁)で、主人公はあるものを開き、その「中身」を確認する。「中身」として読者が想定できるのは、2パターン。仮に「A」と「B」としておこう。
「A」は、1人称的世界観(「この世界は僕次第だ」)の象徴だ。
「B」は、この世界が「繋がり」によって出来ていることのの象徴だ。
もし「中身」が「A」だった場合、俺はこの小説を「駄作」、あるいは「マンネリ」として切り捨てなければならない。「中身」が「B」だった場合、『1Q84』は、「傑作」とまでは行かなくても、「いい小説」として俺の記憶に残ることになるだろう。本当に際どい勝負なのだ。
そして、「中身」は、「B」だった。
『1Q84』は「いい小説」になった。
村上春樹のこれまでの長編は全て、「<1人>の物語」だった。例外なく。全て。もし「中身」が「A」だったら、『1Q84』もまたそうなっていただろう。しかし「中身」が「B」だったことによって、『1Q84』は「<2人>の物語」になった。多くの読者は気付かないだろうが、これは極めて大きな変化だ。
この小説は間違っても「傑作」ではないし、世間の評価はかなり厳しいものになるだろう。しかしそれでも、村上春樹が「<2人>の物語」を書いたことを歓迎し、祝福したいと思う。「国民的作家」は、新たなフェーズに入ったのだ。
27日(水)から並んでいた書店もあるようですが、正式な発売日である29日(金)の朝に購入しました。今回は見送るつもりだったのですが、書店で山積みになっているのを見てやはり我慢できませんでしたね。30日(土)の少しと、31日(日)の丸1日をかけて約1050頁読了しました。
忘れないうちに感想を記しておきたいと思います。たぶんネット上ではすでに数多くの書評が出ていると思いますが、まだ眼を通していません。ネットのみならず、TV・ラジオ・新聞等々の情報には一切触れていないので、この小説が世間でどのように評価されているのか、全くわかりません。従ってここに記すのは、全く混じり気のない、俺自身の生の感想です。それが世間の評価と全く同じなのか、あるいは180度違うのかわかりませんが、とにかく書いてみたいと思います。
まだ考えがまとまっていないので箇条書きに近いものですし、ネタバレを避けるためにまわりくどい記述になっています。わかりにくい文章ですが、ご容赦ください。あと、文体が若干「村上春樹的」になっているかもしれませんが、気にしないでください。これは一種の病気みたいなもので(笑)、村上春樹に限らず、長編小説を読んだ後、俺はしばらくその文体から「抜け出せなく」なってしまうのです。
・・・・・・・・
もしも小説を読むことに「予習」が必要ならば、この小説の「予習」として読むべき本は2つ。『アンダーグラウンド』と『走ることについて語るときに僕の語ること』だ。この小説は明らかにその2冊の延長線上にある。
文体は極めてシャープ。余分なものはほとんどない。純文学ではなく、大衆小説のようだ。言葉はかなり慎重に選び抜かれており、1つ1つの単語がまるで完成したパズルのピースのように、全体の中で自らのあるべき位置に収まっている。文体だけとってみれば、「日本文学の1つの到達点」と言って過言ではないほどの水準に達していると言えるだろう。
内容について。Book1の半分くらいまで、「これはまずい」と思いながら読んでいた。失敗作の匂いが漂っていたからだ。物語はこれまでの作品に比べて遥かに軽やかに進むが、その分「ひっかかり」が無く、全てが上滑って行く。物語の世界に入り込むことが出来ない。
Book1の後半になると、徐々に物語がこちらに訴えかけてくるようになる。後はいつもの村上春樹。一気に読ませる。しかし、この小説は「いい小説」なのか、判断がつかない。その判断は結局、最後から4頁目まで持ち越された。本当にそこまで、この物語が「どっちに転ぶか」わからなかったのだ。
最後から4頁目(Book2、498頁)で、主人公はあるものを開き、その「中身」を確認する。「中身」として読者が想定できるのは、2パターン。仮に「A」と「B」としておこう。
「A」は、1人称的世界観(「この世界は僕次第だ」)の象徴だ。
「B」は、この世界が「繋がり」によって出来ていることのの象徴だ。
もし「中身」が「A」だった場合、俺はこの小説を「駄作」、あるいは「マンネリ」として切り捨てなければならない。「中身」が「B」だった場合、『1Q84』は、「傑作」とまでは行かなくても、「いい小説」として俺の記憶に残ることになるだろう。本当に際どい勝負なのだ。
そして、「中身」は、「B」だった。
『1Q84』は「いい小説」になった。
村上春樹のこれまでの長編は全て、「<1人>の物語」だった。例外なく。全て。もし「中身」が「A」だったら、『1Q84』もまたそうなっていただろう。しかし「中身」が「B」だったことによって、『1Q84』は「<2人>の物語」になった。多くの読者は気付かないだろうが、これは極めて大きな変化だ。
この小説は間違っても「傑作」ではないし、世間の評価はかなり厳しいものになるだろう。しかしそれでも、村上春樹が「<2人>の物語」を書いたことを歓迎し、祝福したいと思う。「国民的作家」は、新たなフェーズに入ったのだ。
登録:
投稿 (Atom)